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新型コロナウイルス(COVID-19)検査のお話

 

 


こんにちは。

北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。

今回もまた新型コロナウイルス(COVID-19)に関する内容です。
いま巷では、このウイルスに関するたくさんの情報が出てきています。
食塩水がよい、お湯を飲むとよい、アオサがいいらしいなど、
中にはまゆつばな情報も多く、世間の混乱に拍車をかけています。
一方で、もっと簡単に検査ができるようにならないのか!?、とか
政府は感染者数を増やしたくないから敢えて検査していない!、とか
検査に関するニュース報道やSNS投稿も数多く見かけます。

今回は、この「検査」というものに焦点を当ててみたいと思います。
小難しい話と思うかもしれませんが、大切なお話なので敢えてします。

ウイルスの検査にはいろいろな種類がありますが、
現在、一般的に利用されているウイルス検査の方法はー
1.イミュノクロマト法(簡易迅速検査はほとんどがこの方法)
2.血液中の抗ウイルス抗体量を調べる方法
3.ウイルスの遺伝子を増幅して調べるPCR法
ー主にこの3つです。

15分程度で検査が完了し結果が分かる簡易迅速検査法のほとんどは、
現在、イミュノクロマト法という方法を用いて検査されています。
簡便に検査できるなんてステキッ!と思うかもしれませんが、
検査には必ず欠点があり、100%結果を信じてよい検査はありません

検査の欠点とは―
1.検査検体が適切に取れていないとダメ
2.検査にはそもそも不確かさがつきまとう
ー大きく分けてこの2つ。それぞれが重大な問題です。

1つ目の検査検体とは、検査に出す材料のことです。
インフルエンザであれば鼻に棒を突っ込んで粘液を採取しますし、
抗体検査であれば血液を採取する必要があります。
極端な話をすると、尿検査で検尿カップに麦茶を入れても、
なーんも意味がない(正しい結果にならない)ように、
それぞれの検査には、それぞれ適切な材料というものがあります。
実は、適切な材料をきちんと採取するのは、結構難しいことなんです。
例えば、インフルエンザの検査を例に挙げますと、
ただ単に鼻の穴に棒を突っ込んで粘液を取ればよいわけではなく、
正しく検査棒を挿入し、鼻咽頭後壁の粘液を採取しないといけません。
インフルエンザウイルスは鼻咽頭後壁に豊富にいることが分かっており、
そこから粘液を採取するのが、最も正確な結果に繋がるからです。
テキトーにやっても陽性に出ることはもちろんありますが、
それはインフルエンザウイルスの量がすごく多い場合であり、
発症早期の治療に大切な時期は、やはり正しく採取する必要があります。
正しく採取できないと、本当はインフルエンザなのに検査陰性となり、
みすみす治療のタイミングを逃してしまうかもしれません。
インフルエンザはほとんどが自然治癒するので、
検査結果が多少違っても大きな影響はないと言えばそれまでですが、
検査を受けた患者さんからすると、正確な検査結果知りたいですよね。

2つ目の検査につきまとう不確かさとは、検査そのものの問題です。
たとえ正しく適切な量の検査検体が採取できたとしても、
それで検査が100%正しい結果を示してくれるわけではありません。
検査にはそもそも感度・特異度というものが存在するためです。
なんだねそれは?と思われますよね。
かみ砕いて言うと「検査の正確性」ということです。
どんな検査でも、0か100かなんてことはないんです。
どんなに良いバッターでも10割打者はいません。
それと同じように検査にも打率ともいうべき確率があるわけです。
実際にウイルスがいる検体を正しく陽性と判断する確率を感度、
ウイルスがいない検体を正しく陰性と判断する確率を特異度と言います。
検査にはそれぞれ特性があって、感度は高いけど特異度はイマイチとか
感度も特異度もそれなりに高いとか、各々の検査に特長があります。
イミュノクロマト法を用いた簡易迅速検査の場合は、
それぞれの検査でやや違いはあるものの、
感度も特異度もとても優れているわけではありません。
つまりは、見逃しや空振りが一定の割合で起きてしまうわけです。

長々と難しい話になってしまいました。すみません。
ですが、どんな検査もそのまま結果を鵜呑みにして良いわけではない
ということはご理解頂けましたでしょうか?
それは、イミュノクロマト法だけでなく、PCR法でも全く同じです。
検査の感度・特異度は高くなりますが、100%ではないわけです。
たとえ簡便に検査ができるようになったとしても、
正しい解釈方法を知らないと、検査結果に一喜一憂するだけになります。
場合によっては検査なんてしなければよかった、ということにも…。
検査を金科玉条のように考えるのはやめましょう。
検査はあくまで正確な診断を助けてくれるツールの1つです。

それは我々のような専門家でも全く同じことです。
検査ばかりあてにするようでは、よいお医者さんとは言えません。
お身体を診察させて頂いて、異常な所見がないか確認し、
いくつか可能性のある病気を疑って、そこで必要な検査をオーダーする。
我々が検査を頼りにするのは、病気かどうか可能性が微妙な時です。
ハナから頭にない(可能性の低い)病気のための検査はしません。
一方で、どう考えてもその病気の可能性が極めて高い時は、
やはり検査に頼ることはしません(検査をしないとは言いませんが)。
検査結果がどうであれ、病気の診断に影響はしないからです。
分かりやすいのでまたインフルエンザを例に挙げますが、
周りにインフルエンザの人がたくさんいて(濃厚接触していて)、
ご自身の症状にもインフルエンザを疑う所見がいくつも出ていれば、
あえて検査せずに「インフルエンザ」として治療することもあります。

その時その時で検査するしないを判断してオーダーしているわけです。

新型コロナウイルスの影響で、不安になるのはよく分かります。
少しでも症状があれば、検査して欲しくなる気持ちもよく分かります。
(実際、私自身も検査ができたらなぁと思うことは多々あります)
高齢者施設で働いていたりする方は、自分が他人に感染させないか、
たまらなく心配な状況で日々仕事をしていらっしゃると思います。
現在の日本全体の検査体制に不備あるのは確かに否めませんが、
だからと言って、クリニックで簡単に検査ができるようになっても、
問題の本質は何も解決しません。検査結果で一喜一憂したり、
何度も何度も検査して欲しいと病院に患者さんが押し寄せたり、
おそらく今の日本の状況を考えると、逆にパニックのネタを
作り出してしまうだけのようにさえ思います。

皆様にできること、それは何度も何度も繰り返しになりますが、
こまめな、入念な手洗いと咳エチケットを徹底することです。
極力、外出中は不用意にものに触らない、
外出して帰宅したら、石ケンを使って入念な手洗い、
かぜの症状がある方は、なるべく外出を控え自宅で療養しましょう。
何かに触れた後、不用意に眼や鼻に触れないようにしましょう。
また、自分が眼や鼻を触ってしまったら、すぐに手洗いしましょう。
鼻をかんだりした後も同様です。自分が保菌者である場合、
鼻水の中にもウイルスがいる可能性が高いです。
他人のだろうが自分のだろうが、体液に触れた後はやはり手洗いです。

以下、八王子市のホームページからの抜粋を再掲致します。
症状に不安のある方、まずは以下の番号にお電話にてご相談下さい。

1.新型コロナウイルス感染症に関する相談

(1)八王子市 新型コロナウイルス感染症に関するコールセンター
(電話番号)042-620-7253
(対応時間)9時から17時まで(土、日、休日を除く)

(2)東京都 電話相談窓口(コールセンター)
 (電話番号)03-5320-4509
(対応時間)9時から21時まで(土、日、休日を含む)

(3)厚生労働省 電話相談窓口(コールセンター)
 (電話番号)0120-565653(フリーダイヤル)
(対応時間)9時から21時まで(土、日、休日を含む)

2.以下のいずれかに該当する方の相談
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方
(高齢者、妊婦、持病のある方は2日程度)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
 

帰国者・接触者電話相談センター
平日の8時30分から17時15分まで
(電話番号)042-645-5195(八王子市保健所)

平日:17時15分から翌日8時30分まで
土、日、休日:終日
(電話番号)03-5320-4592(合同電話相談センター)


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