こんにちは。
北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。
梅雨ですね。いやー、梅雨ですねぇ。
私自身はさほど嫌いな時期でもないのですが、
毎年この時期になると、似たような患者さんが増えます。
「あたまいたい…」「何となく調子が悪い…」
これはいわゆる「気象病」とか「天気痛」と呼ばれるもの。
この時期になると手術の古傷が痛む…という方もいました。
なぜ起こるのか?まだよく分かっていない部分もありますが、
根本的には自律神経の不調が関連していると言われています。
低気圧が近づいたり湿度が上がったり、身体が不快を感じると、
脳の視床下部と呼ばれる部分を刺激して交感神経を活性化させます。
ホルモンを介して血管や神経が過敏になり痛みが増悪します。
頭痛だけでなく、めまい・耳鳴り、喘息が悪化する方もいます。
これは良く言うと、周囲の環境変化にとても敏感だということですね。
人間も動物です。自然を生き抜くには周囲への敏感さは重要だったはず。
とても興味深いことに、低気圧だから症状がでるわけではないようです。
気圧が低ければ低いほど症状が悪化するかというとそうでもなく、
むしろ天気が悪くなる前日とか、気圧の下がり出す矢先が重要です。
なので、天気痛を持つ人の中には、天気予知ができる方もいるとか。
完全には解明されてはいない気象病ですが、
根底には自律神経の不調が関与していることはおそらく間違いないため、
対処方法も「自律神経の乱れを整える」ことがキモになります。
私もよく診察の中で患者さんとお話をしますが、
自律神経を整える方法って、結局は、毎日決まった時間に起床して、
食事、特に朝食をしっかりとバランス良く食べて、
毎日適度にカラダを動かして適度に疲れて、
気の置けない友人や仲間、同僚と楽しく過ごして、
家に帰ってお風呂に入って疲れを癒やして、
夜更かししすぎないようにしつつしっかり睡眠を取る、という
何とも当たり前のような生活を重ねていくのが1番の近道です。
症状があまりに辛ければ、私たちが対症的にサポート致しますが、
これは病院を受診すれば完全に解決する問題ではなく、
自分の生活と向き合い見直すために、カラダが発しているサインです。
近年は自然災害が顕著に増えています。
ゲリラ豪雨、土砂災害、熱波・猛暑、地震、そして感染症…。
私たちの平穏な日常を脅かし自律神経をかき乱す事象に事欠きません。
だからこそ、普段から生活リズムを整える意識が必要です。
と言って、まぁあまり気張っても仕方がないので、
できるところから少しずつやっていきたいですね。