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PCR検査は使いよう…

 

 


こんにちは。

北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。

今日は九州で猛暑日となっているようですね。
東京もだーいぶ蒸し暑くなってきました。
体調を崩さないように日々気をつけたいと思います。

さて、少し前の話題にはなりますが、
プロ野球某球団が所属選手全員に抗体検査を行い、
検査陽性の選手職員にPCR検査を行ったところ、
2選手がPCR陽性に出た!というニュースが流れました。
その後、翌日の再検査で2名とも陰性という結果が出たため、
シーズン開幕は当初の予定通り進める運びとなっています。

世界的にもプロスポーツ選手に対するPCRスクリーニングは、
野球に限らずサッカーや他競技に拡がっているのが現実です。
ただ、私の考えとしては、これはプロスポーツに限らずですが、
無症状の人も含めた対象者全員にPCRを行うという手法は、
正直申し上げてかなりスジの悪い一手だと思っています。
それでもこのような流れは世界的潮流と言えますし、
詰まるところは、今のところはPCR検査以外に、
目に見える形の拠り所がないというのが最大の要因です。

話を戻しますが、某球団が抗体検査でスクリーニングを行い、
抗体陽性の選手職員にPCR検査を実施したという流れは、
先に結果の解釈についてよく協議をしていたのであれば、
そこまで問題となるようなものではなかったと思います。
しかし、どうも今回の報道を見る限りにおいては、
行き当たりばったりの検査だったのが、大きな問題でした。

スクリーニングの抗体検査でIgGが陽性に出た時点で、
一般的には感染後10日〜2週間程度は経過していると判断します。
そしてこれまでの世界各国の研究や調査報告から、
IgG陽性の時点で、他人へはほぼ感染しないと考えられます。
PCRは感染後3週間〜1ヶ月程度は陽性が持続する場合があるので、
PCR検査結果によって方針は変わるはずがないのです。
が、今回は「微陽性」という聞いたことのない造語まで出して、
翌日のPCR検査で陰性と判明すると「あー良かった!」と
一生懸命に火消しに走っている様子をお見受けしていますと、
何も分からず検査していたのかなぁと残念な気持ちになります。
一部の感染症専門家の方々が、この手法を賞賛したのにも、
正直申し上げてとても驚いてしまいました。
結局は6月19日の開幕ありきで話を進めている印象です。
いまやこういうことはあっという間に世界を駆け巡りますので、
世界から見ると日本はヘンテコだなぁと思われていますね。

もちろんきちんと書かせて頂きますが、感染した選手たちが、
大事に至らずに元気でいることは、本当に良かったと思います。
このまま無事開幕が迎えられることをいち野球ファンとして
心から期待し、お祈り申し上げたいと思います。


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