おはようございます。
北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。
昨晩、政府から衝撃的な、あまりに衝撃的な発表がなされました。
【全国の小中高校に3月2日から春休みまで臨時休業の要請】
感染拡大防止のためによく決断した!という支持の声がある一方で、
唐突すぎる発表に教育現場や子育て世代は大混乱に陥っています。
確かに、学校だけが突然休みになっても、親は仕事は休めません。
学童保育に人が殺到して、逆に感染拡大のリスクが上がったり、
仕方なく両親に預けて、子どもと高齢者の濃厚接触が起こり、
致死的リスクの高い高齢者を危険に晒してしまう可能性もあります。
企業に対しても思い切った施策を同時に打つべき時機ですが、
そこはあくまで各企業任せ、個人任せの状態のまま。
社会構造のごく一部、手をつけやすいところにだけ手をつけても、
このウイルスの感染拡大を防止できるか、甚だ疑問に思います。
これまでも、インフルエンザの流行に対する学級閉鎖や学校閉鎖は、
なかば当たり前のように、全国各地で行われてきました。
日本でも、毎年1万人がインフルエンザがもとで亡くなっていますし、
インフルエンザは脳症を起こすなど子どもにとっても脅威です。
インフルエンザの流行を阻止するための一部の学級・学校閉鎖。
その時でさえ、働く親世代は仕事の調整で四苦八苦しています。
それが今回は全国一斉に行われる訳ですから、この衝撃は甚大です。
北海道北見市でCOVID-19の集団感染が発生した疑いがあり、
北海道は一足先にCOVID-19に対する「緊急事態宣言」を発表、
道民全体に、週末の外出自粛を要請しました。
確かに、学校でCOVID-19感染が集団発生するのは避けねばなりません。
小学生では、咳エチケットや手洗いも徹底されていなかったり、
鼻水をふいた手であちこちペタペタ触るなんてことは当たり前。
学校のどこにウイルスがいてもおかしくない状況は容易に想像できます。
でもそれは、職場、通勤電車、公共の体育館や図書館などでも一緒かと。
なぜ学校だけ?ひとまず学校から?
出来る対策からどんどん手を打っていかないと、
ますます手遅れになることは火を見るよりも明らかです。
その手始めが、全国一斉休校という対応なのでしょうか。
であれば、親世代の休業補償、柔軟な働き方支援もぜひお願いしたい!
今回の政府の対応が吉と出るか凶と出るか。
これは大博打に出たな!というのが私の率直な感想です。
今回打ち出したこの対応が、結果的にどういう効果をもたらしたか、
どんな利点と欠点があったのか詳細に検証する責務が政府にはあります。
そして我々も、政府は頼りない…なんて嘆いていても仕方ありません。
依存的な考えをやめ、自主的に積極的に動き出しましょう。
手洗いや咳エチケットの徹底は、気持ちがあれば誰にでもできます。
疑わしい症状があれば、自主的に外出を控え、自宅で安静にしましょう。
仕事が休める場合は、無理をせず休みましょう。
先進的な企業では、在宅ワークを認める動きも出ているようですね。
当然、どうしても休めない方もいます。私の仕事、医療もその1つです。
それでも、手洗い、マスク、飲水、加湿…できることはあります。
何度も何度も耳にタコが出るくらいの繰り返しになりますが、
わたしたちひとりひとりが、できることを粛々とやり続けること、
今の時期はそれが何より大切なことだと思います。
派手なパフォーマンスなんていらない。粛々と淡々とやりましょうよ。
そして願わくば、今回の一連の騒動をきちんと反省し、
次に起こるかもしれない脅威への対策の糧にして欲しいと思います。
私たちからすると、これを機に普段からの衛生意識を高めること、
融通の利く働き方を継続的に支援していく体制が構築されること、
COVID-19が気付かせてくれていることも少なからずあると思います。
末文になりますが、一刻も早い終息を願ってやみません。