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緊急事態宣言39県で解除へ

 

 


こんばんは。

北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。

皆様すでにご存知の通り、今晩の記者会見で安倍首相は、
39県について緊急事態宣言解除の方針を打ち出しました。
詳細についてはすでにメディアでたくさん報じられているため、
あえてここで詳細について言及することは致しません。
今回は、医学的な感染症封じ込めの観点から所感を述べます。
以下はあくまで私の個人的な見解です。ご承知置き下さい。

安倍首相が記者会見の中で言及していた通り、日本において、
COVID-19による死亡者数が他の先進国より少ないというのは、
紛れもない事実です。なぜ少なく抑えられているのかは、
これまでも散々いろんなことがあちこちで言われていますが、
本当のところはまだきちんと分かってはいません。
真実の解明には公衆衛生的に詳細な解析・研究が必要ですが、
結果的に事実として、死亡者数は確かに少ないわけです。
(改めて、亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます)
ただ、感染者数が本当に少ないのかは、かなり疑わしいです。
感染しているかどうかは、徹底的に検査しないと分からないので。
ご存じの通り、日本はPCR検査数の上限が頭打ちになっていますし、
小規模な抗体検査は行われたものの、全数把握には程遠い状況です。
感染しても無症状で治癒してしまう人が一定数いるので、
そもそも全体の感染者数を正確に把握するのは困難です。
まして、把握しても対策が変わらないのなら、無意味です。
少なくとも、重症者や死亡者を極力減らすという医療政策と
感染者数全体を把握する公衆衛生的政策は、本来別の話ですが、
なぜか日本ではごちゃまぜで議論されていることが多いですね。

さて、会見の中で首相は、次のようにも述べていました。

「世界中、どこにもこうすれば大丈夫と言う正解はない」

まさにおっしゃる通り。なので、正解の分からない難問に対して、
みんなで力を合わせて取り組まないといけないわけです。
正解の分からない問題にみんなで対峙する時、何が大切ですかね?
そりゃもちろん、正解を出すに越したことはないですよね。
誰も亡くならず、誰も経済的に困窮せず、誰も取り残されない。
それはそうなんですけど、理想を現実にするのはなかなか難しい。
民主主義国家の日本においては、ひとりでも多くの人が納得すること、
これが、とても重要でかつ大切なことなのではと思います。
少しでも多くの人が納得する取り組みや政策を実行するためには、
国が全体を管理するというシステムでは難しいと思うんです。
これまでもそうですが、例えば、東京で感染が爆発していても、
岩手の人は、なんでこんなに自粛しなきゃいけないの?と思うはずです。
人の痛みを知る、思いを寄せる、助け合う。とても大切な真理です。
でもだからと言って、東京や大阪の人が自粛しているんだから、
地方の人もすべて自粛しないといけない、というのは違います。
不要不急の外出、感染拡大地域への出張や旅行を避けるのは当然ですが、
それぞれの地域の実情に即した対策、取り組みをするべきだと思います。

その点で、今回の緊急事態宣言の発出、解除ともに違和感があります。
国がやるべきこと、国にしかできないことは、対外的なこと、
例えば出入国の管理や輸出入の管理、諸外国との交渉や支援などであって、
国内を全国一律に緊急事態に巻き込み、自粛させることではないはずです。
もちろん、意識づけという意味では有意義な面もあったと思いますが、
お願いベースの特措法・緊急事態宣言で、これだけ自制できる国民です。
手洗い・消毒、3密を避ける、時差出勤する、テレワークを進める…
これまでも繰り返し伝えてきたメッセージを伝え続けることは怠らずに、
緊急事態宣言するかどうかは、各都道府県レベルに任せるべきです。

おそらく今後、残念がら間違いなく、第2の流行の波がやってきます。
以前から繰り返し書いているように、コロナとは共存することになります。
なので、上手にお付き合いしていく方法を見つけないといけません。
その時に十把一絡げに国が仕切っていては、生活が立ち行かなくなります。
インフルエンザの時、小学校が学級閉鎖になったりすることがありますね。
わざわざ隣の小学校まで休校したり、その町の小学校全部が休校したり、
はたまた隣の県の小学校まですべて休校したりはしないですよね。
インフルエンザと今回の新型コロナウイルスは、同じではないですし、
重症化率や致死率も、同じ土俵で語ることはできない状況ですが、
それでもやはり、もう少し地域の実情に根差した対策が必要です。
今回のことを教訓にして、次の波が襲ってくる前に、
もっと多くの人が納得できる対策を準備したいものです。


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