こんにちは。
北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。
新型コロナに〇〇が有効?シリーズ・第2弾(勝手に命名)
本日は、ちまたで話題となっているBCGを取り上げます。
私のもとにもBCGを打ちたいという方、何人かおりました。
そもそも、BCGってなんだっけ?というところから。
BCGは、1歳未満の赤ちゃんに行う結核の予防接種です。
皆さんもきっと、二の腕に残るかすかなあと、ありますよね。
BCGって何の略?と聞かれますが、これは実は開発者にちなんだ
「カルメット(C)とゲラン(G)の菌(B)」という意味。
BCGを接種することで、結核の発症を75%減らすことができます。
日本は、実は結核のそれなりの蔓延国で、患者さんが結構います。
ですのでいまだにBCGも定期予防接種に位置づけられます。
日本人のおよそ98%はBCGを接種していると言われています。
欧米では結核は「過去の病気」なので、BCGはほぼしていません。
それが、今回の騒動の根底にある背景の違いです。
欧米と東アジアのCOVID-19による死亡率の違いが、
結核の蔓延やBCG接種と関連があるのではないか?という話が、
3月頃から専門家の間でも取り上げられるようになりました。
BCGは、もうすぐ100年の歴史になります。
1921年、パリで使われたのが最初で、この時は経口投与でした。
その後、皮下接種から皮内接種へと変遷し、
日本では、1967年に現在の9管針法に変更されました。
実はBCGが、結核だけでなく他の病気の死亡率を減少させる
という報告は、枚挙にいとまがないほどたくさんあります。
そこで今回のCOVID-19に対しても期待が寄せられていますが、
現時点では、まだまだマユツバで、確たる根拠はありません。
藁にもすがりたくなる気持ちは、当然よく分かりますが、
日本人からするとそもそもほとんどの方が接種していますので、
あまり気にしなくてもいい話題でもありますね。
さらに、BCGは生ワクチンですので、接種の仕方や人を誤ると、
大変な副作用が起きる可能性があることも書き添えておきます。
基本的には、「手洗い、換気、三密回避」
これらに勝る予防法は、今のところはまだございません。