こんにちは。
北原LSC総合診療科の和田吉生(わだよしき)です。
突然ですが、問題です。これ、なんて読むか分かりますか?
『忘己利他』
私の出身大学の元学長もこの言葉を残されていました。
歴史を紐解くと、天台宗の開祖・最澄の言葉のようです。
(右の写真はWikipediaからお借り致しました)
正解は………『もうこりた』って読みます。
COVID-19にはもうこりた、ってことではないです(笑)
忘己利他とは、自分を忘れて、他人のために尽くすこと。
他人のために尽くし、他人が喜び楽しむ姿を見ることが、
ひいては自分の幸せに繋がるという考えです。
“おのれを忘れて他を利するは、慈悲の極みなり”
忘己利他の精神は、他人からの見返りは期待しません。
見返りがないんじゃ他人のために尽くせない?
忘己利他の精神は、他に利益を与えるからといって、
自分は不利益を被り、不幸になるということでもありません。
むしろ、他を幸せにすることで、己も幸せになる心持ち。
私たちは、どうしても自己中心的に物事を考えがちです。
特に、現在のような荒んだ情勢になると、それはなお加速します。
自分さえよければと、物を買い占め、高値で売りさばき、
ああして欲しいこうして欲しいと、見境なくまわりに求め出す。
当然、その根底には先の見えない不安、絶望、恐怖があります。
最近ではそれが国家全体の思想にまで反映されてきています。
アメリカしかり中国しかり。自国ファーストは当然だろ?と。
確かに自国民の利益を守ることは国家の大きな使命ですが、
以前にも書きました。世の中はもうこれだけ繋がっているのです。
「忘他利己」の精神では、いつか必ず窮地に追い込まれます。
例え自分たちが苦しくても、いや、苦しい時だからこそ、
連携・連帯・協力・支え合いが、今はとても大切なんです。